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  1. コンセプトの明確化

──────────────────────────────── ● コンセプトの核心 「地域」と「都市」が本来担ってきた役割に立ち返り、それぞれの強みを活かした体験型の企画やサービスを生み出す。具体的には、以下の2点が核となっています。 ・「地域」:自然と共にある暮らし(根本的な資源との触れ合いや学び、伝承)を守り、次代へと引き継ぐ。 ・「都市」:地域の資源を国や世界へ橋渡しする場として機能し、多様な価値を循環させる。

このコンセプトによって、「気候変動や社会の分断が進む中でも、自然の根本に触れることが未来への確かな指針になる」というメッセージを社会に提示すると同時に、地域と都市の交流から新たな価値を生み出そうとしています。

● ターゲット顧客層・市場 ・ サステナブルやローカルコミュニティに関心の高い消費者(個人・企業ともに)

・ 企業やNPO、行政、大使館等でのイベント企画や地方創生プロジェクトを検討している組織

・ インバウンド需要を活かし、地域資源の魅力を都市から海外へ発信したい観光・文化関連事業者

● 解決しようとしている問題 ・ 地域における伝統的な知見・自然との共生が次世代に十分に伝わらず、地域文化や環境が衰退していく危機

・ 都市において、どのような資源がどこから来ているのかを意識しにくい「消費中心」の仕組みのまん延

・ 地域・都市間の乖離や分断による、地方創生・都市の活力不足

──────────────────────────────── 2. 関連業界のトレンド分析 ──────────────────────────────── ● 日本国内のトレンド ・ サステナビリティやSDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりにより、地域資源の活用や地域創生事業への注目度が増している。

・ コロナ禍を経てリモートワークやワーケーションが一般化し、都会と地方を行き来する生活様式や「二地域居住」への興味が広がっている。

・ 観光庁が進める「地方誘客」「地域活性化」への施策とあいまって、体験型・交流型の旅行・イベント需要が拡大している。

● 世界的なトレンド ・ グローバルな気候変動の脅威により、ローカルの生態系や農業、食文化を守ろうとする動きが広がっている。

・ 旅行業界では「オーバーツーリズム」への反省から、地域密着型のエコツーリズム、アグリツーリズムなどへの需要が高まっている。

・ デジタル技術の発達でオンライン・オフラインを組み合わせた観光体験(オンラインツアーなど)も注目されており、特に国際交流のハードルを下げている。

──────────────────────────────── 3. 背景情報の取り込み ──────────────────────────────── ● 社会的・文化的背景 ・ 大阪が「天下の台所」と称されていた江戸時代には、中央集権的な統制よりも、庶民や商人主体でインフラ整備や産業交流が行われてきた歴史がある。

・ 日本の農村や漁村は、縄文以来の長い歴史の中で自然と共生しており、自然環境や伝統文化の担い手として存在してきた。

・ 現代社会では大量生産・大量消費が主流になる一方、気候変動や資源枯渇のリスクが顕在化。地域のライフスタイルや知恵を再評価する機運が高まっている。

● 経済的背景 ・ 地方では人口減少や高齢化が進み、農林水産業の担い手不足や地域経済の停滞が問題となっている。